日本男子がレディーファーストをできない理由。そりゃ仕方がない
年に何回か仕事で海外へ行きます。
とあるアメリカの展示会に出展したとき、20代半ばの現地アメリカ人スタッフが現場に入っていました。
ずいぶん母親からレディーファーストの教育を受けていたようで、移動時には重い扉を開けそっと腰に手を添え通されたり、レストランでスマートにエスコートされたり、車のドアを開けられたり、ナチュラルに容姿を褒められたり。
かなりのイケメンだったことも功を奏しているのですが、15も歳下の男子に常時淑女のように扱われると、トキメキと共にセロトニンがブワッと分泌されて一日機嫌もいいわけです。
イケメンにかぎらず、男性から大切にされるのは非常に心地よく優しい気持ちになれるので、上記例を元にFacebookで、「レディーファーストを日本男子も積極的にやるとブルーオーシャンでモテモテじゃないか」といったポストをしました。
「帰国子女か!」「欧米か!」といった、男性陣からの鬼のツッコミをわくわくしながら待っていたところ、意外や意外、
「欧米人に限る」「よく知らない異性に距離を詰められたくない」「好きでもない男に触られたくない」「そもそも日本人がやるのは似合わないし気持ちが悪い」
ツッコミが入ったのは、女性陣からのキモいウザいのシュプレヒコメントでした。
わたしに陰キャクラスタ出身のフレンドが多いから、というのもあるかと思いますが、一方男性陣は弱腰で、
「レディーファーストしたくないわけじゃない。ただ拒否される」「気持ち悪がられたくない」「触れようものなら痴漢あつかい」「女が怖い」「あれは女性を楯がわりに前を歩かせて身の安全を図るヨーロッパ中世の悪しき習慣だ!」
なにが悪いといった話ではなく、これは日本では根付かないわけだ、と、腑に落ちた一件でした。レディーファーストは受け手のスキルや文化的度量も問われる行為なのですね。
とはいえ、さりげなく荷物を持ってくれたり、スマートに扉をあけてくれたり、車道側を歩いてくれたり。実はジェントルメンは身近にもたくさんいます。
些細な気遣いでずいぶん気持ちもアガりますし、自然、立てるべきところでは男性を立てようといった謙虚な気持ちも生まれ、穏やかで愛のある関係が構築されます。
男女が性差を活かして寄り添うのは美しい姿ではないでしょうか。
意外とロマンチストでシャイな男性と、イケメンに限るの女性の組み合わせになると、レディーファーストがセクハラになりかねないお国柄ではあるので、日本人向けのカスタマイズは必要ですが、武士道と騎士道がマージするよい着地点があればいいなぁと思ったのでした。
ちなみに、欧米女性の恋人がいた男友達に話を聞いたところ「基本的に日本男性は礼儀正しく優しくレディーファーストだ」とおおむね高評価らしいです。なるほど...。