はあちゅうが産み出したネット私刑という悪癖

 
はあちゅうさんのTwitterが荒れに荒れている。
具体的な経緯はハゲックスさんのまとめを参照していただくとして、
 
わたしがこの流れの中で感じた薄ら寒い恐怖は、大衆を扇動してジェノサイドを行った為政者たちのような全体主義感だった。
フォロワーの多いはあちゅうの告発とあって大きく注目され、そして圧倒的に言い訳のきかない岸さんの著書『コミュニケーションをデザインするための本 』Amazonレビューは人格攻撃のレビューで荒れた。セクハラ撲滅を大義名分に意気揚々と書く人々。
 
#metoo を使った告発の望ましい着地は、岸さんを社会的に抹殺すべくみなで追い込むことだったのだろうか? 有象無象でリンチすることだったのだろうか? 実名で告発する必要はあったのだろうか? それは本当に正義だったのか?
 

いくら友人限定公開でも、業界的にお仕事をする可能性があるかもしれない人にこういうことを言われているのは本当に恐ろしい。

私は私の身を自分で守らなくてはならないので、間違ってもネイキッドという会社の案件にかすらないように、周りに見える形で晒しました!

以上です!

はあちゅう (@ha_chu) 2017年12月22日

 先日、はあちゅうが目にするはずのないプライベートな友人限定投稿を拡散されたOpiさんが、怒りの告発を放った。

Buzzfeed編集部さま】
1)Buzzfeedの記事を拝読し、私も社会的正義を理念とする編集部の活動に深く賛同いたしました。記事を拝読し、私も背中を押されたような気持ちになりました。私も#metooの動きをきっかけとして、ここに証言することを決意いたしました。#MeToo @BuzzFeedJapan

— Yukio Opi Ohya (@Opi) 2017年12月24日

 自分への批判は、居酒屋トークのような鍵付き投稿までも見つけ次第拡散し、社名を晒し、吊るし上げていくのは、もはや病的と言わざるを得ない。

それも限定投稿であることをわざわざ画像編集で隠し、公開投稿のように見せかける形で拡散した行為に、過剰な悪意がなかったとは言えないだろう。
 
このOpiさんの反論記事にある「五反田のスナック」はノオトの社長が経営するコワーキングスナックを明らかに差していると思われるが、岸さん告発記事を公開するにあたって、はあちゅうへアドバイスしたヨッピー氏やBuzzFeed担当記者、どちらもノオトと関係が深いことにも闇を感じる。
 
ちなみにはあちゅうさんは、過去にOpiさんの関わる会社のイベントをレポしたブログについて、「友人から頼まれて書いた」と実はステマであったことをつぶやいている。

NAKED INC.さんのお仕事に関しては、友人の依頼で過去にブログにも書いてた。こういう、本当に近い場所にいる人たちからの悪意にこれから長い間絶えないといけないんだな。長期戦だ…。こういうことを書く人と絶対に現場で会いたくない…!https://t.co/7rdWSpMTB0 https://t.co/RO1JxAcaaP

はあちゅう(こっちはサブ垢) (@bot_hachu) 2017年12月24日

 若手と呼ばれるインフルエンサー達の一部は、なにが良識でなにが踏み越えてはならない一線かを学ぶ場所が無かったのか、自己都合の元に気に入らない発言や行為について、攻撃することに躊躇がないらしい。その影響力や迎合するメディアを使って私刑していくことを正義と信じ込んでいる。

 これはもはやファシズムだ。
 
いまこそ、古参のインターネット老人会の皆さまに踏ん張ってほしい。そしてメディアの皆さまには、安易に乗らず、それは本当に世のために人のためになる発信なのか、その良心に問いかけてほしい。
 
そもそも #metoo はこんなことで蹂躙していいムーブメントではないはずだ。声にならない声を上げて泣いている被害者はたくさんいる。
 
 
しかし、リアルの仕事で付き合いがある飲み仲間で「いっちょメディアで注目集めを仕掛けてみよう」と居酒屋トークを広げること自体はよくある風景といえるでしょう。しかし、その仕掛けや関係性を読者が知らずに、扇動に乗っかっているのは怖いことです。そして身内のセクハラ、パワハラは彼らのメディアでは忖度して報じない、であればなおさらですよね。